(一社)楽心館 氣と丹田の合気道会

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見学し入会されなかった方の声

Our Story

鬱を乗り越えれて

入会を断念
Mさん

Mさんからのメール1通目 (お問い合わせ)

はじめまして。見学希望です

To:楽心館 さま

はじめまして、Mと申します。 現在34歳で、今年4月から柔道整復の学校に通っています。 10年以上ぶりに学生になり、習い事をする時間ができたので、いろいろと道場を探している中で、そちらに興味を持って連絡させていただきました。 ちなみに大学時代に3年間、大東流合気柔術をやっていました。 当方、夜間の学校に通っているために、伺うとしても日中やってらっしゃるところにしか伺えません。 そこで、X道場に一度見学に伺いたいのですが、よろしいでしょうか?

To:M 様

楽心館石川です。 数ある道場から当会へご連絡いただき、ありがとうございます。 X道場への見学を、歓迎します。 稽古予定日をご確認のうえ、お出ましください。 3年間大東流を稽古されていたとは、珍しいですね。 私どもで学んでいる合気の手などを、軽く体験なさってくださいね。 ちなみに、何処の会派でございましょうか?

Mさんからのメール2通目

To:石川さま

Mです。ご丁寧にメールいただき、誠に恐縮です。 大東流は、何某先生という方のところで学んでいました。 何某先生ご自身は、吉田幸太郎先生と細野恒次郎先生から 学ばれたのだそうです。 といっても、正直かなり甘ちゃんな気持ちでやっていました ので、全然身についてはいないと思います。 中伝が終わってもうすぐ奥伝に入る、ぐらいのところでやめてしまったのを、今でも後悔しています。 この機会に、一からまた合気の世界に触れてみたいと思って いますので、まずは見学を楽しみにしています。よろしく お願いいたします。

To:M 様

楽心館石川です。 返信をありがとうございます。 何某先生とは、他の武術もなさっていますね。 お話はいろいろと聞いております。 剣の理から入り、身体使い、合気の手と学ぶ我々とは、もしかしたら違うかもしれませんね。 ご参考になれば幸いです。 入門者は、X道場とY道場どちらでも、ご都合の良い道場へ参加できます。 楽心館と神刀柔進会は別組織ですが、両方参加する方もあります。 M様の場合、剣術と居合をなさった方が、宜しいのではないかと思います。 見学も、承知しました。 ご参考までに一通り動画を、ご覧ください。 失礼します。

 

Mさんからのメール3通目

 To:石川先生

Mです。早速のお返事、ありがとうございました。 動画、早速拝見しました。合気の技を見たのは久々だったので、 なんだか懐かしく、同時にワクワクしました。 大東流をやっていた頃、杖道もやっていました。 東京都杖道連盟の初段を持っています。 なので、剣・居合の世界も素晴らしいなぁと思っています。
明日見学に伺った際に、先生のお話など少しお聞かせいただける と、大変うれしいです。 15時半に伺えばよろしいですよね? お会いできるのを楽しみにしています。

 

Mさんからのメール4通目(見学を終えて…

To:石川先生

本日稽古を見学させていただきました、Mです。 いろいろと丁寧にご説明いただき、ありがとうございました。 自分なんてホントに浅はかな、発展途上な人間なのですが、今日の先生のお話や、ホームページで拝見した先生の真摯なご意見に影響 を受けましたので、こちらも感想など書かせていただきます。

去年の今頃、いくつかの道場を見て廻りました。空手、柔道、 少林寺、そして合気。合気は何某の道場を見ました。 そのときの感想としては、正直、心の芯に触れるものがありませんでした。かつて自分が大東流を稽古していた時に、先輩から「お前 のは、柔ではなく軟だ」と言われたことがあったのですが、そんなような感じでした。 今日、先生の稽古を拝見して、まさに本物の「柔」を見た。そんなようなことを思いました(もちろん、自分の目が本当に本物を理解 できるかはよくわからないのですが)。 少なからず、先生が何を目指していて、そのために何を稽古として教えるべきなのか、その辺が非常に明確で、見ていてとても心地がよかったです。石川先生は、とても信頼できる先生だなぁと思いながら拝見していました。

自分は27歳の時にうつ病を患いまして、去年、34歳になるぐらいまで引きずりました。もう生きられない、これ以上生きるのは、あまりにもしんどい。そう思いながらもどうにか生き延びたのは、周囲の方々が自分を見捨てないでくださったからです。 周囲の支援にすがりっぱなしの自分を受け入れるのは、なかなかに しんどいことでした。でも、生きなければいけない以上は、今はすがらせてもらおうと思いました。その代りに、自分を受け容れてくれたこの社会に感謝して、いつか必ず恩返ししようと思ってきま した。 最近少しずつですが、その恩返しのタイミングが近付いてきたことを感じます。柔道整復の道を目指したのも、その辺に大きくかかわりが あります。

うつを治すにあたって、「いい」と言われるものにはすべて、手を 出してきました。結果として、自分の病状を最も改善してくれたのは、 薬ではなく、「運動」と「食事」でした。 特に、今流行りの「加圧トレーニング」は、劇的に自分の体調を変えました。そして、「いつかセラピストとして社会に恩返しをする時には、加圧と栄養療法は絶対に取り入れよう」と思いました。 自分は今でも、加圧および筋力トレーニングはやっています。指導者資格の講習も、受講中です。それらが人間の体を良いコンディションに 向かわせる、ということに関して、私は確信に近いものを感じています。

本日稽古を見学させていただこうと思ったのは、少しお話ししたように、柔道の稽古の中で「人が人を投げるのに、腕力が全てなんてことがあるだろうか?」と疑問を感じたからです。 結果として、今日先生にいただいたご意見によって、答えはNOなんだな、と思いました。 ただ、自分がいま目指している道とは、矛盾してしまうのかな、とも 思いました。「筋力」と「合気」が矛盾するものであるならば、どちらか一方にとことんこだわった方がいいと思いました。とすれば、7年かけてやっと見つけた道を否定はしたくないので、とりあえずは 「筋力」「筋肉」を健康の軸に据えた考え方をし、実践していきたいと考えました。 うまくお伝え出来たかわかりませんが、稽古の見学後に自分なりに 導いた答えはそのようなものになりました。体験をさせていただきたいと申し上げたのですが、「筋力」と「合気」の矛盾に対して、もう少し別の考え方が出来るようになるまでは、当面控えさせていただこうかと考え始めております。 漠然と、「やはりやめておきます」とお伝えしてもよかったのですが、 先生のお人柄を自分なりに受け止めた結果、ナァナァにはしたくないと思いましたので、自分なりに先生ときちんと向き合わせていただき ました。 自分なりに今後も精進していき、またご縁がありましたらぜひ体験などさせてください。よろしくお願いいたします。 本当に、ありがとうございました。

To:M 様

楽心館石川です。 ご丁寧なメールを、ありがとうございます。

真摯なお人柄ゆえに、何かきつい体験をした際に、深く自分の中にある自己矛盾に想 いがはまってしまったのでしょうか。 私自身を含めて、誰しも鬱的になることはあります。

私の道場にも、何人か治療を受けている者があります。 M様が見学していただいた稽古の中にも一人、鬱病の者が参加していました。

M様は表現力も豊かで、いらっしゃいますね。 お話が理解しやすいですよ。 ご事情が良く理解できました。

我々の稽古も武であるからには、力は大切で否定するものではありません。 しかし発力の仕方が、大切です。 足腰丹田を主体として、緩みによって発する反射力のようなものです。 ですからお話した中で、「腕立て伏せをする類のトレーニングや、居つくような身体 使いは」否定する話をしたのです。 その辺、誤解の無いようにお願いします。 別件ですが、M様のお話をM様や第三者に迷惑をかけないような内容に手を加えた上で、「入会されなかっ た方の声」として、表示させていただけないでしょうか。 私にとって、とても有意義なものだったからです。

ご承諾いただけましたら、編集したものを再度お送りして、ご確認いただく作業をし ますので、何卒よろしくお願いします。 この度の御選択のメール、承知しました。 寂しいですが、お考えがしっかりしていらっしゃるので、いつの日か縁が繋がること を夢見ております。 きっとM様は自立なさって、社会に恩返しする日が、来ると信じています。 失礼します。

Mさんからのメール5通目

To:石川先生

Mです。お返事ありがとうございました。 自分のような若輩者が言いたいことを言わせていただくのはそれなりに勇気が必要でしたが、それでもアウトプットしてみようと思ったのは、先生ならきっと懐深く受け止めてくださるだろうと思えたからです。 勇気を出して自分の気持ちをお伝えして、本当によかったなぁと思っています。先生、ありがとうございました。

メールの転載の件は、ぜひぜひお使いください。 自分ごときの浅はかな意見なのでお役にたつかわかりませんが、見てくださる方に少しでもご参考になれば幸いです。 道場にいらっしゃる方に、うつの方がいらっしゃるのですか。 とてもおつらいと思いますが、きっと稽古を通じて乗り越えていかれるのだろうと思います。 自分はうつの最中は、「夜明けなんて来るのだろうか?」と思っていましたが、やっぱり、明けない夜はなかったです。

夜の時期に自分を見捨てなかった人間だけが、朝日の美しさを知ることが出来るのだと、心身ともに深く理解できました。 その方にとってうつが、稽古同様、人間修養の一つとして受け止められ るよう、切に願っています。 見守るしかない先生もおつらいかと思います。いつか皆さんが笑い ながら、「あんなこともあったよなぁ」って笑える日が来るといいですね。 それでは!

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